第8回日本放射線事故・災害医学会
令和2年8月17日
各位
第8回日本放射線事故・災害医学会
大会長 栗原 治
国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構
第8回日本放射線事故・災害医学会のご案内
被ばく医療で目指すべき線量評価のあり方
この度,第8回日本放射線事故・災害医学会の大会長を拝命致しました,量子科学技術研究開発機構の栗原です。皆様におかれましては,平素より当学会への過分なご支援を賜り,改めて御礼申し上げます。
ご存じのとおり,今般の新型コロナウイルス感染症は全世界で猛威を振るい,未だに収束の兆しは見えておりません。当学会の皆様の中には,今まさに新型コロナウイルス感染症の対応に追われている医療従事者の先生方もおられるかと思います。そうした状況下での学会開催に大きな戸惑いはございましたが,一方で当学会としても新たな生活様式にいち早く順応してゆくことも必要と考え,今年度の学会をウェブでの開催とさせて頂くことになりました。
さて,8回目となる今年度の学会のテーマは,「被ばく医療で目指すべき線量評価のあり方」と致しました。被ばく医療における線量評価の役割としては,患者の治療方針を決定するための判断材料を提供することと,患者の予後の放射線障害のリスクを推定することの二つがあります。多様な放射線事故に際し,患者の被ばく線量がタイムリーに得られることが理想であり,そのための技術の開発や維持が重要であることは言うまでもありません。その一方で,被ばく医療に本当に役立てられる線量評価とは何かという点について,過去の様々な放射線事故事例を俯瞰しながら,医療と放射線防護の双方の関係者が議論できる機会が持てれば有意義ではないかと思い,前述のテーマの着想に至りました。私が社会人になって間もないころ,JCOウラン加工施設における臨界事故が発生しました。重篤な被ばくを受けた3名の作業員を初め,当該施設敷地内に滞在した従業員や防災関係者,近隣住民や通行人に対する様々な線量評価が行われ,その結果は放医研の不定期刊行物等にまとめられておりますが,あれから20年以上が経過した現在,同様な事故が発生したらどのようなアプローチが考えられるでしょうか? 臨界事故以外にも,東電福島第一原発事故や原子力機構大洗研究所におけるプルトニウム内部被ばく事故など,線量評価を含む被ばく医療対応の教訓とすべき事例はあります。来年度は東電福島第一原発事故から10年の節目を迎えますが,当時何ができて何ができなかったか? できなかった理由は何で,それは現在解決されているのか?といった率直な問いに対し,当学会でも振り返る時期に来ているものと思います。
最後に,本学会を通じて被ばく医療の関係者の連携が一層強化され,万一の際にも「想定外」とならない,さらに骨太な被ばく医療体制の構築が実現することを願っております。本学会初の取り組みでの開催となりますが,多くの方々の参加をお待ちしております。
記
1. | 日時: | 2020年10月3日(土)13:25 – 17:00 |
2. | 場所・方式: | 量研機構よりオンラインによる配信(zoom ウェビナーを使用予定) |
〒263-8555 千葉市稲毛区穴川4-9-1 | ||
3. | 参加費等: | 参加費:会員 無料 非会員 2,000円 |
4. | プログラム: | 基調講演1 「我が国における被ばく医療の経験(仮)」 |
特別講演 「放射線輸送シミュレーションに基づく線量評価」 | ||
基調講演2 「我が国の被ばく事故における線量評価の経験と課題(仮)」 | ||
パネルディスカッション | ||
6. | 参加受付: | 2020年9月3日(木)〜9月30日(水) |
ウェブでのお申し込み 電子メールでのお申し込みはワードファイルをダウンロードし、必要事項を記入して大会事務局宛に送信してください。 <ファイルダウンロード> 参加申し込みをされた会員の方には9月30日までに視聴方法のご案内をします。非会員の方には入金確認後に視聴方法のご案内をします。 |
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7. | 大会事務局: | 第8回日本放射線事故・災害医学会大会事務局 |
〒263-8555 千葉市稲毛区穴川4-9-1 | ||
量研機構高度被ばく医療センター 計測・線量評価部 内 | ||
E-mail: ml-jaradm2020@qst.go.jp |
以上